令和4年度 基本方針

テーマ「コロナ禍とウクライナ紛争で激変した社会の分断を克服し、地域経済の活発化に挑戦」

経済同友会は二年半続くコロナ禍で、多くの活動が中止やWEB会議に制約されました。それに加え今年二月以降、ロシアのウクライナ侵略で、世界経済の環境変化にどう対応するか、といった新たな課題に直面しています。

島根経済同友会も抑制的な行動しかできないままですが、多様な連携と持続可能な地域経済の確立を目指し、できる限りの提言活動を実施してきました。

そうした中で、総務委員会は昨年4月に県知事に「災害時の安全確保対策への協力について『情報提供書』」を提出しました。また、文化・スポーツ・親睦委員会主催による重要文化財 宍道 八雲本陣の見学、産業活性化委員会による江津市域の定住対策ヒアリング、観光振興委員会による石見地区および中山間地域の観光と振興の視察を実施しました。こうした委員会活動も、コロナ禍に苦しむ地域の関連業界に対して、微力ながら貢献したと考えます。一方、島根県知事を囲む懇談会と新春例会の中止により意見交換の場を設けられなかったことや、地方再生に向けた産業振興、雇用創出に向けた提言活動などは、継続課題と認識しています。

コロナ禍以前から、デジタル技術の進展とモバイルの普及により、画面情報の個人化、狭小な層化が進んでいます。これによる社会の分断という懸案に、追い打ちをかけたのがウクライナ問題です。自由・民主主義か独裁・全体主義か、重武装か否かといった論議が、深い霧のように立ち込めています。豊かな社会を維持するための経済活動や生活設計を、変わってしまった世界の中で、分断をどう克服しながら再構築するのかといった新しい課題が、我々の前に横たわっています。少子高齢化、一極集中の是正、円安対応は待ったなしの状況です。

従前より山陰の地は自然と文化、人情に恵まれた地域として存在してきました。世界情勢と国内経済が厳しい今年度は、これまでの主要な取り組みとともに、新たに出現しそうな社会を見渡しながら、対応策に挑戦します。

そのためには互いの企業が利益を上げ、社会に貢献することが最も重要なことです。さらに従業員や周囲の働き方改革、差別のない社会の実現は時代の要請でしょう。その上で、この地に暮らす人々が「生涯住んで楽しい、美しい」と感じることのできる街並みや文化環境を整え、衣食住と娯楽が充実した地域づくりといったところまでも、企業活動として意識し、影響力を発揮するべきだと確信しています。

島根の未来に向けて各企業が魅力を創出しながら、活発な意見交換を行い、会員相互の啓発と懇親を深められますよう、以下の活動に取り組んでまいります。

【今年度の取組み課題】

  1. 観光振興
    • 地域資源の活用と情報発信強化による認知度向上
    • 大阪・関西万博2025との連携
    • コロナ終息後には、インバウンドを含む観光振興に向けた提案・提言
    • 穴場観光地の発掘と着地型ツアーの検討
    • 観光イベントへの協力・支援
  2. 産業振興
    • 会員相互の交流・研鑽による各企業の魅力度向上
    • 観光振興による副次的・派生的な産業の呼び起こし・振興
    • 産・官・学連携による新産業・新事業の創出
    • AI・IoT等の新技術の活用促進、地域産業の振興への取組み
  3. 交通インフラの整備・促進
    • ミッシングリンクの解消・安全性向上対策・利用料の低料金化等への取組み
    • 山陰の新幹線構想に関する調査研究
    • 航空路線(出雲空港、石見空港、隠岐空港)の維持・充実
    • 物流拠点港(浜田港、西郷港ほか)の整備・活性化
    • 安心安全な橋梁整備
  4. 人材育成・子育て支援
    • 島根の未来をつくるリーダー人材育成事業との連携・シンポジウムの実施
    • 地元就職率向上への取組み
    • 働き方改革・子育て支援の推進
  5. 国内外視察と他団体との交流の活発化
    • 地方創生につながる先駆的な取組み事例の視察
    • 各地の経済同友会との交流および中国経済連合会など圏域経済団体との連携
  6. エネルギー問題に関する研究
    • 原発の安全管理・環境管理問題に関する視察・研究
    • 再生可能エネルギー・省エネルギーの研究
  7. 地域に根ざしたスポーツによる地域振興への取組み


令和4年度 委員会活動方針・事業計画

①総務委員会 委員長 原  直 幸

【活動方針】

当委員会は、引続き地域活性化に向けた活発な委員会活動を進めるため、正副代表幹事、各委員長と連携を密にしながら、委員会・会員間の連携・親睦を図り円滑な委員会運営を進めるとともに、会員増強の推進を図り、当会組織の充実・強化に取組んでいきたいと考えます。

【事業計画】
  1. 役員、委員会等の諸活動・会議の円滑な運営
  2. SDGs等をテーマとした企画による委員会活動の活性化
  3. 島根県知事を囲む懇談会の開催
  4. 広報(会報『島根経済同友』、ホームページ)の充実
  5. 会員の増強

②産業活性化委員会 委員長 天 野 浩 一

【活動方針】

 雇用の創出や地域・産業の活性化を図る取り組みを実践している企業を視察し、参加者の相互研修によって、中長期的視点に立った産業振興に関する提案・提言に取り組んでいきます。

【事業計画】
  1. 先進地視察、相互研修会の実施
    • 地域の発展と活性化を図り、常に未来を見据えて新しいことに挑戦している企業の選定、情報の水平展開(紹介)、視察の実施
    • 相互研修による地域産業の振興・活性化に関する提案・提言
  2. 新春例会において講演会等を開催(2023年1月)

③観光振興委員会  委員長 足 達 明 彦

【活動方針】

 観光振興の活性化は、地域産業の発展において重要なポイントであるため、インバウンド対応も含め地域が一体となった先進地事例等を参考にし、地域経済の活性化に貢献していく。

【事業計画】
  1. 地域資源の活用と情報発信強化による認知度向上(周辺の同友会との情報交換・研修会等を含)
  2. 大阪・関西万博2025との連携
  3. インバウンドを含む観光振興について提案・提言(インバウンドについてはコロナ終息後に検討)
  4. 出雲地区・石見地区・隠岐地区の穴場観光地を発掘し、着地型ツアーを検討
  5. 地元観光イベントへの協力・支援

④IT社会推進委員会 委員長 石 𥔎 修 二

【活動方針】

 昨年度に引き続き、島根県の産業振興・地域振興に寄与するIT社会の推進に向けて活動を行ってまいります。

【事業計画】
  1. 島根県内の雇用創出や競争力強化を目的としたIT産業の活性化および企業等のIT活用促進に向けた行政等への提言
    • IT企業の事業拡大および新規設立に向けた支援
    • IT活用によるビジネス変革に向けた利用促進支援
  2. 島根県産業界の自発的なIT活用に向けた知見/見識の醸成
    • 先進的技術や活用事例に関するIT活用事例発表会および講演会等の開催
    • IT導入に向けたIT活用事例の視察等

⑤ひと・地域未来委員会 委員長 中 尾 禎 仁

【活動方針】

地域の担い手の県外流出に歯止めをかけるための具体策を見出した行政をはじめ関係機関と共にセクターを越えた連携を図り、会員企業をはじめ島根県の産業の基盤となる「質の高い雇用」をより具現化できるよう研究・提言に取り組む。

【事業計画】
  1. 島根の未来をつくるリーダー人材の育成関連事業に対する連携・協力
  2. 地域に愛着のある志の高い若者を招聘したシンポジウムの実施
  3. しまね産学官人材育成コンソーシアム事業の参加・協力
  4. イクボス事業等若者に選んでもらえる企業づくりの研究

⑥国際経済委員会 委員長 渡 邊  学

【活動方針】

過去3年中止している海外視察研修は、今年度も中止とします。一昨年から続く新型コロナウィルスの感染拡大により社会構造が変化し、また今年2月に始まったロシアのウクライナ軍事侵攻が、グローバル化に向かっていた世界経済を大きく変えようとしています。これらが地元経済にどのような課題をもたらし、私達は今後どう対応していくべきか調査研究を行います。

【事業計画】
  1. 世界経済情勢等についての情報収集・研究
     (ジェトロと連携しセミナーの開催)

⑦島根・鳥取合同委員会 委員長 加 藤 隆 宏

【活動方針】

 昨年度は観光を中心としたテーマで活動を行い、鳥取県経済同友会と共に懇談会を実施した。今年度は、山陰地方における観光振興・基幹交通整備の検討を継続したい。

【事業計画】
  1. 活動方針の趣旨に合致した視察やヒアリングの実施
  2. 鳥取県・島根経済同友会合同懇談会の開催(鳥取側の主催年度)
  3. 上記1、2を踏まえた提言、レポート公表(可能であれば)

⑧島根・広島交流委員会 委員長 渡 部 幸 太 郎

【活動方針】

中四国圏域を取り巻く課題解決に向けて、広島経済同友会をはじめ中国経済連合会など圏域経済団体との連携を図り、交通インフラ整備促進や地域資源の掘り起こし活動などの研究・提言に取り組む。特にeスポーツという新たな手法の活用により、コロナ禍における双方の接点の増加、人の繋がりの促進、島根・広島の交流土台構築の可能性を模索する。

【事業計画】
  1. 広島・島根経済同友会交流懇談会(今年は広島開催の予定)への参加
  2. 翌年度を見越し、eスポーツ対抗戦を活用した人財交流促進の企画
  3. その他関連する事業

⑨文化・スポーツ・親睦委員会 委員長 太 田 敦 久

【活動方針】

人口減少や地域間格差、コロナ禍などの諸課題に立ち向かい、地域経済の自立的、持続的な発展を目指すためには、会員が連携をより密にして、相互に研鑽を重ね、知恵や資源を結集して共に発展を目指すことが不可欠である。当委員会はその礎として、地域文化への理解やスポーツ活動を通じて会員相互の交流を促し、島根を拠点に活動する会員の結びつきを強めることを目的に活動する。

【事業計画】
  1. 島根の文化や歴史、経済の変遷などを共に学ぶ活動の実施
    • 計画の詳細は、社会情勢に鑑みて立案する
  2. 多くの会員が参加でき、交流や親睦が促進できるスポーツ事業の実施
    • 計画の詳細は、社会情勢に鑑みて立案する

以上

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