2014年03月05日(水)

行財政革特別委員会研修会

日時:2月26日
場所:松江市

 

2月26日、松江市で、地方行財政改革特別委員会主催の研修会(講演会・意見交換会)が行われました。
江口委員長の進行により、宮脇代表幹事の開会挨拶、石橋町長の講演、意見交換と19人の出席者参加型の活発な研修会となりました。
宮脇代表幹事からは、2月13日に東京で開催された第1回全国経済同友会地方行財政改革推進会議の状況(新藤義孝総務大臣の講演=個性を生かし、自立した地方をつくる)などについての説明・挨拶がありました。
講演会は、講師に島根県邑南町長の石橋良治氏をお迎えし、「地域の活性化に向けた邑南町の取り組みの現状と課題」を演題として、食と農を(融合)振興するA級グルメ事業や邑南町への定住促進のため、日本1の子育て村構想に基づく各種の取り組み、更には、町民の豊かさを追求する、A級のまちづくりを目指した施策事業を積極的に展開している。等々の講演がありました。
(講演概要)
*現状の取り組み
DVDにより、邑南町の主要事業①食と農の振興A級グルメ事業 ②日本1の子育て村構想とはどういうものかについて分かりやすく説明があった。
町長に就任してから、地方(邑南町)でないと出来ない具体的な目標を掲げ、これまで町を挙げて取り組んできている。全国的なTV番組、週刊誌等のメデイアに取り上げられることも多く、島根県邑南町の存在が大都市に住む若者(女性)に広く知られてきた。こうしたことで、町民の間に少しづつ活力が生まれてきている。
今年は、合併10周年邑南町の町民歌の作成をすることとし、「さだ まさし」氏に依頼した。A級グルメ事業で培った人的ネットワークにより、引き受けていただけたと考える。
邑南町の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に出産する割合)は、2.65となった。厚生労働省が人口増加に必要な2.07を上回っている。東京よりも高い。安心して子育てが出来るまちづくりをもっと進めたい。
平成26年度の若者農業研習生(定員4人)を募集したら、現在、8人の応募があっている。
食と農の振興のため、調理学校を町で運営することにした。島根大学、東京原調理学校とそれぞれ連携協定を締結した。
東京に、海士町ほかと一緒に産直市とレストランの店舗を出すことにした。
町として、着地型旅行業の免許をもって、観光客受け入れ事業を展開する。
これまでの課題の中で、大変なことは、自分も含め、役場職員、各界に渡る町民の意識改革であった。今後とも、邑南町の存続・活性化のため、現場主義、住民主体でいろいろな施策・事業に取り組み、次代を担う子供たちへ故郷としての応援を続けるとともに、地域を大切に思う役場のがんばる姿を子供たちの記憶に残したい。
 

(意見交換概要)

  • 行財政改革委員会事業として、石橋町長さんから具体に取り組みを聞いたが、地方は、1960年代からの東京一極集中という日本全体の動きに影響されてきたため、産業構造や、人々の価値観が大きく変化しており、その維持運営は大変厳しいものがある。邑南町は、人口面で、自然減・社会減が止まろうとしている。施策・事業の展開は、見事である。
  • 地方経済の活性化は、アベノミクスにより、期待は持てるが、その効果は、一気には出ない。第3の矢が経済成長を成功させないとならないが、地域を問わず、経済関係者は、しっかりとした目標を持って、努力する必要がある。
  • 邑南町でキャビアが生産されているとのことであるが、味や値段はどんなものか。(町内の建設関係企業で取り組んでいるが、一瓶1万円)
  • 町が合併して以降、活性化に取り組んでいるが、役場以外の民間企業の活動、後継者育成はどうか。
  • 少数であるが、出てきていると考える。合併した町の中でもいわゆる街場は活性化しやすい。合併して役場などから遠くなった地域を切り捨てないことが重要。
  • 基礎自治体として、住民殆どの顔がわかると良い。
  • 市町村合併の次は、道州制と言われてきたが。
  • 効率化のみを追求する安易な道州制は、やるべきではないと全国町村会は一致している。日本の伝統・文化などが失われ地域の良さがなくなると考える。
  • 日本全体として考えると、地方はその有する自然・歴史・伝統文化が豊かであるから教育分野でもA級の人づくりが出来るのでは。
  • 第一次産業が、自然の中での農林水産業が分からない子供たちが多くなっていく。
  • 例えば、農業の楽しさを、科学の楽しさ魅力を教える仕組みを構築する必要がある。
  • 東京にあれだけ多くの若者が居ても、出生率は、邑南町が高い。国も、子育てに関する各種の事業を、大都市の待機児童対策ばかりでなく、地方の子育て対策の充実にも見直す必要がある。
  • 地方は、収入が低いのは現実、それでも差し支えないライフスタイル、価値観を提示していく必要。
  • 現代の若者は、大人しいため、メデイアは草食系とか言ってるが、真面目である。生き方や価値観についても考え、理解してくれるのでは。
  • 職業の分野の課題は、邑南町での職場は、建設関係、福祉関係が求人が多い。しかし建設や山林関係職場は、仕事の量が安定しない。福祉は賃金が安い。このため正規雇用も少なく、求人求職にミスマッチが出る。
  • 人材育成に立場を超えて努力しないと停滞から活力に向かわない。島根の将来に向かって地域の努力を応援する必要がある。

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2014/03/05 17:40 | 未分類